自然素材の代表は、木もそうですが、塗り壁もすぐに思い浮かぶと思います。
ほとんどの自然素材の家には使われています。
土や漆喰などの塗り壁の能力の一つに、調湿効果があります。
これが一番求められる能力だと思います。
壁全体で呼吸してくれて、部屋の空気をさわやかに・きれいにしてくれます。
昔の蔵は厚く厚く土を塗っているので、真夏でも涼しく感じます。
夏はさわやかな空気にしてくれて、冬は乾燥のし過ぎを防いで健康的にしてくれます。
他にも、消臭効果や防火などの能力もありますが、塗り厚が厚ければ厚いほど
その力を発揮します。
しかし、現在はプラスターボード下地に薄塗りする塗り壁が主流です。
薄塗りでは、その能力があまり発揮されない物も多くあります。
デザインとして薄塗りの壁を採用するのは有りですが、効果を期待し過ぎてしまうと期待外れになってしまいます。
また、既製品の薄塗り壁で注意したいのは100%天然素材の物は少ないという事です。
天然物だけで薄塗り出来、強度も出すのは難しく、ほとんどの既製品が何か人工的な物が
含まれています。
塗り壁は、天然物だから意味があるのに、そこに人工物を混ぜたら意味がありません。
せっかくの能力を邪魔してしまいます。
そこで、浅井住宅では、木ずりという木の下地を打ち、そこに100%天然素材の砂漆喰や土壁を塗り込んでいきます。
プラスターボードに薄く塗るより、数倍厚く塗ることができ、その厚みに比例して効果が大きく
なります。
明らかに部屋の空気が変わります。(特に夏、実感します)
塗り壁の能力はもちろん、その表情は薄塗りのものとは違い、奥行きが感じられます。
漆喰は明るい感じに、土壁は暖かく落ち着いた感じに。
漆喰に土を混ぜると、また違った雰囲気になります。
塗り壁・左官というのは、アイデア・工夫次第で無限の可能性があります。
仕上げ方を工夫すれば、様々な素材・デザインになります。
木との相性も抜群です。
自然で、表情豊かで、飽きがこないデザインになります。
プラスターボードに薄く塗る既製品なのですが、漆喰・珪藻土・天然沸石・断熱ビーズの
4種類をバランス良く配合してあり、天然素材だけで出来ています。
薄塗りですが、クロスとは違った魅力があり、採用する意味があると思います。
天然素材のみで作られているので、塗り壁の能力も発揮されます。
外壁(塗り壁)
外壁は塗り壁・杉板・ガルバリウム鋼板の組み合わせを採用しています。
その中の塗り壁について説明します。
木ずり下地に砂漆喰を2回塗り、仕上げに土を塗っています。
良い土が出れば、その現場の土を使います。
サイディングにペンキ、モルタルにペンキ塗りなどと違い、土の自然な色や表情になります。
陰影があり、味わい、深みがあります。
さらにその土地の土を使えば、オリジナルの壁になります。
自然の土の色なので、ペンキと違い色落ちがなく、
またサイディングと違い、コーキングを使っていないので耐久性にも優れています。
そのため、基本的には塗り替え工事が必要ありません。
意匠面でも、耐久面でも、外壁には塗り壁がオススメです。