石職人から大工へ
何かをつくることが好きだった私は、20歳の時、石屋での修行を開始しました。
そして5年間の修行期間を経て、26歳の時に独立を決意。
8年間コツコツ地道に仕事をしていたところで、義父から誘いを受け、浅井建築へと入社いたしました。
石屋の職人から大工への転向です。
7年後、有限会社浅井住宅を設立し、職人を育てる立場で多くの職人さんと仕事をしてきました。
大工2年目。自邸を1人で建てる
石屋から建築屋へと変わったのですが、もともとが「何かをつくり出すことが好き」だった私は、先代が厳しく指導をしてくれたおかげで大工になって2年で、自分の家を建て始めるほどの技術を身につけることが出来ました。(ただ、自分の家は仕事の合間に作業することになり、建つまでに4~5年もかかりましたけどね。笑)
予想以上に時間がかかってしまったということもあり、先代は「応援を呼ぼうか?」と心配してくれましたが、何が何でも1人で建てきる!と強い心を持ち完成させることができました。
5年かかって出来た自邸は、木の性質を教えてくれた
今の時代、4~5年もかけて家をつくる方はそうそういないとは思いますが、実はこの時間をかけてつくったということが、今の浅井住宅の自信に繋がっている部分があるのです。
それは、木材の性質を思いきり活かして家づくりが出来た、という点です。
木は通常、縮んだり反ったりします。通常の家づくりではどの方向に反るのかを予測し、正しい方向に反るように使って家づくりを行います。
そして、家が完成してから、木が予想していたようにねじれ、家が締まることで丈夫な家となります。また、4~5年もかけて家をつくっていると木材がすでに縮んで反りきっている為、造作仕事への影響も少なく美しい家ができます。
私が大工になって2年目につくり始めたその家は、現在完成してから30年経ちましたが、いまだにどこも悪くならない頑丈で、きれいな家で在り続けています。
当時はまだまだ未熟だった私でありましたが、木は、自らの性質を、私に体験させてくれたのでした。
昔の大工が磨き続けた技は、今も変わらない素晴らしい技術
先代(浅井住宅一代目)が建てたお宅の定期点検に伺った時のことでした。
「この間、耐震診断をやってもらったんだけど、どこも悪くないから大丈夫って言われたよ。本当に丈夫な家を建ててもらったよ~。」と感謝のお言葉をいただきました。
現在、いろいろな工法や素材が日々開発され続けておりますが、昔の大工の教えは今も変わらず正しいことであると、身をもって実感できました。
どうして先代のつくった家は数十年経っても丈夫なのか。どうして先代のつくった家は数十年経ってもお客様が満足しているのか。その本質を知ることができた今、今度は私が、三代目に伝えて行かねばならないと思っています。
お客様と共につくり上げる家づくりを、今後もこの地で
私が思う家づくりの醍醐味はお客様と一緒になって家づくりを行っていけるという事。
お客様の好みの床をはり、天井の色は何にしよう?コンセントの位置はどうしよう?
こうやって楽しく「一緒になって」夢をカタチにしていけることですね。
創業して70年、地域の皆様からお声かけいただき、地元の職人仲間に支えられながら地域に根付く工務店としてやってきました。
今後もこの地で地域のお客様の生活をお守りし続けると共に、感謝の気持ちを肝に銘じて地元に根付いた工務店にこだわっていきます。